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夢、のち、現

創作置き場です。夢小説置き場のような題ですが決してそうではありません。(そうだとよかったけど)

鈴蘭と道(仮定)

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鈴蘭と道(仮定)

NHK全国学校音楽コンクールの課題曲だった「明日へ続く道」と「もう一度」の自己解釈から作った話。若干小説になってるから注意。

明日へ続く道↓
和泉今日子(いずみきょうこ)
 白髪青目のアルビノでいじめられるも負けじと通常の学校生活を送っていた。しかし突然の事故で両腕を切断。
 精神に異常は無いものの身体的な障害で普通の人と同じ生活ができない障害者を集めた施設「鈴蘭園」で暮らすことになる。
 部屋の真珠は涙のようだった。桜の枝に止まった鳥がとびだった勢いで枝が折れてしまった。あの鳥のように丈夫な腕がほしい。事故のことなど知りもしないように広場から笑い声が聞こえる。
 その日の夜は眠れなかった。慣れない腕のない感覚によろめきながら窓に寄る。遠くで鶏が鳴いている。ふと降ろした視線の先に今朝の折れた桜の枝がありわずかながらに開花していた。折れたというのにすごい生命力。私なんて生きる価値が無いかもしれないのに生き続けようとしている。鈴蘭が春を祝うように揺れている。今ここから新しい未来が始まる。腕は無いけれど、生きたいとは思う。また、ここから、はじめる。

もう一度↓
井澄明日花(いずみあすか)
 白髪赤目のアルビノでいじめられるのを避けるためメラニンを増やす手術を受けるも髪の毛にしか効果がなく目だけが赤いままになりそれが原因でいじめられる。学校は不登校気味で毎日泣いていた。庭先の鈴蘭が同情するように揺れた。誰かが手折っていった桜の枝を鳥がつつく。自由そうな鳥を見て憧れを抱いた。私ももう一度、人と触れ合ってみよう。……事態が好転することはなかった。とぼとぼと横断歩道を渡る。
クラクションの音、まぶしい光、轟音、恐怖、後悔、憎しみ、責任転嫁、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!

脚の傷口をそっと撫で回す。短くなっちゃって。あれから数年たった。鳥が楽しそうにさえずり、部屋の窓を横切
っていく。うらやましい。あなたたちは私のことなんて知らないんでしょうね。
 車の中で夜を明かす。朝焼けが綺麗。鶏がどこかで鳴いた。ああ、私の気も知らないで。
 施設の人に部屋を案内される。部屋の鉢植えには鈴蘭。確か花言葉は「幸福が訪れる」。気休めのつもりかしらね。皮肉なんだから。けれど、ここだったらうまく行くかもしれないね。施設の仲間たち。私と同じ境遇の人たちが集まる。窓辺で座る一人の少女。ひざの上の桜の枝。花をつけている。そうね。桜の枝だって花をつける。私の脚が戻らないわけ無いね。窓辺の少女は私と同じだったアルビノ。もしかしたら、もしかしたら。腕の無い少女。
彼女の脚を。脚を……。
 すてきね。こんなきもちははじめてね。あたらしいあし、すてきね。いまわたしはたてている。このままあるこう。すてきね、すてきね。すべてがかがやいているの。わたしの、わたしのみらいが、ゆめが、ここからはじまるの。

まぁこの通り明日花は今日子の脚を奪う。でも終焉ノ栞みたいにループすることになったら鈴蘭園で今日子は自分の夢(明日)へ手繰り寄せる。明日花は自分の夢(明日)へ辿り歩く。っていうハッピーエンド系

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